
ビットフライヤー(bitFlyer)に口座を開いて仮想通貨を購入してみたけど、思った以上に価格が上がらなかったり、むしろ逆に値下がりが続いて「全然儲からない…」という状態の人は意外と多いかも知れません。
私個人の独断と偏見による勝手な予想にはなりますが、ぶっちゃけ2017年の年末みたいに、ただ単に保有して寝て起きたら何百倍、何千倍と価格が爆上げした時代は一旦落ち着き、当分来ないのではないかと思っています。
厳密に言えば、そういう銘柄が極端に少なくなっている…ですかね。
最終的にどうなるかは誰にも分かりませんが、現在進行形で様々なアルトコインが世界中で増え続け、それに乗じてICOを謳った巨額投資詐欺事件なんかも起こっています。
さらにGoogleがICO関連の広告を6月から全面禁止を発表しているくらいなので、仮想通貨はもはや玉石混合と言うより、新規で誕生している8~9割方は詐欺コインなのではないか?とも、取れる怪しさ満点の状態です。
こうした背景もありますから、今後は裏付けのない仮想通貨を闇雲に購入するのは正直危険でしょうね。
なのでこれからは「果報は寝て待て戦略」よりも、口座にある仮想通貨を短期・中期トレードを行い、徐々にでも回していった方が効率よく資産は増えていく可能性が高いと考えています。
但し、これから説明する「ビットフライヤーFX」の場合は、ギャンブル要素が非常に強くなる運用方法でもあるため、慣れていない初心者の内は絶対に無理な投資は避けるようにしてください。
最悪、人生詰んでしまいます!
ということで、今回はビットフライヤーFXのやり方や手数料、スプレッド、リスク面などについて解説していきます。
目次
FX取引口座の準備と取り扱い銘柄・通貨ペア
はじめに、ビットフライヤーの口座開設が既に完了していることを前提に話を進めていきます。
口座開設の段階では、ビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)・イーサリアムクラシック(ETC)・ライトコイン(LTC)・ビットコインキャッシュ(BCH)・モナコイン(MONA)・リスク(LISK)の7種類の現物取引(ビットコインを額面通りに保有する取引)のみが可能となっている状態です。
そしてFX取引というレバレッジ(テコの原理)を効かせた取引を行うためには、口座に振り込んだ日本円を証拠金口座という「FX取引のための口座」へと移動させる必要があります。
その取引口座というのが「bitflyer Lightning(ビットフライヤーライトニング)」です。
bitflyer Lightningでは3つの取引形態が用意されており、それぞれの通貨ペアは以下の通りです。
現物取引(Lightning現物):BTC/JPY・ETH/BTC・BCH/BTC
FX(Lightning FX):BTC/JPY
先物取引(Lightning Futures):BTC/JPY
現物取引ではビットコインを含めた7種類のアルトコイン取引が可能でしたが、FXの場合はBTC/JPYのみとなりますのでご注意ください。
証拠金口座への入金方法
「bitflyer Lightning」を選択し、画面左上に横棒が三本並んだボタンがあるのでクリックします。
メニューが表示されるので、上から7番目の「入出金」をクリック。
入出金画面の「Lightning FX/Futures 証拠金」のメニュー操作で、現物口座からFX取引用の口座へ資金を移動させることが可能です。
ここでは、日本円またはBTCのいずれかを選択できます。
任意の金額を入力し「証拠金口座へ預入れる」をクリックすると「評価証拠金」に反映されるので、これでFX取引が行えるようになります。
ちなみに「証拠金口座」と「現物口座」間の日本円やBTCの移動には、手数料はかかりません。
FX取引に証拠金としてBTCを使うことができますが、値下がり中に利用してしまうと損をする可能性が高くなるので、特に注意が必要です。
「BTCが値下がりする=BTCの評価額が下がる=証拠金が目減りする」という感じですね。ですので、この状態でロング(値上がりする方向)に賭けてしまうと、証拠金維持率(最低限必要となる証拠金の割合)の減少スピードがより加速してしまうので、取引所による強制ロスカットに遭う確率が格段に高くなります。
逆に値上がりしている時はハイリターンとなりますが、まさにハイリスク・ハイリターンの勝負になってしまうため、最初のうちは評価額に変動のない日本円を証拠金として利用することをおすすめします。
尚、増えた日本円を証拠金口座から出金する場合は、現物口座に移動させてから出金手続きができます。
ロング(買い)・ショート(売り)とは?
ビットフライヤーでFX取引を行う前に、まずはどのような仕組みで利益が発生していくのかを見ていきましょう。
通常の仮想通貨取引は「現物取引」と言って、「安値の時に購入し高値になったら売る=その差額が利益」という非常に単純明快なルールです。
これがビットコインFXになると、買いと売りの両方で利益を出すことができ、さらにレバレッジをかけて最大15倍までの大きな取引をすることが可能になります。
ではまず、ロング(買い)から説明していきます。
例えば口座に10万円しか資金がなくてもFX取引をすると、最大で150万円までの買い注文をすることができます。
レバレッジというのは、要は「通貨購入資金に対して2~15倍までの借金をして購入することができる」と考えてください。仮に1BTC150万円だった場合、10万円の資金があれば15倍のレバレッジをかけて1BTC購入することができます。
150万円で購入したBTCが160万円に値上がりし、即売却すると160万円-150万円=+10万円の利益が確定します。
元の資金10万円が15倍のレバレッジをかけた事によって150万円の取引を可能にし、160万円で売ることができると一気に元手を2倍の20万円に増やすことができます。
この数字だけ見るとビットコインFXって、かなり夢がありますよね。
しかし、もちろんレバレッジ取引には常にリスクが伴います。
今回の例で説明すると、購入時150万円からわずか6.7%(-10万円)値下がりしただけで、元の資金を上回る損失が出てしまうため、こうなると強制的に取引を終了(ロスカット)させられます。
正確には証拠金維持率が関係してくるので、もっと手前(50%切った時点)でゲームオーバーです。
当たり前ですが10万円返って来ない上に、BTCも保有できません。
最悪の場合「追証(おいしょう:借金)」になることも…詳細はロスカットで説明します。
次にロングの反対「ショート(売り)」ですが、上の図右の「売建て」を見てもらうと分かりやすいです。
簡単に説明すると…
「元々持っていなかったBTCを取引会社から借りてきて売り、値段が下がった所で買い戻す。取引所にBTCを返し、売った額と買った額の差が利益」という感じです。例えば1BTC150万円の時に売って140万円に下がった際に買い戻すと、150万円-140万円=+10万円の利益になります。
このショート(売り)の場合でも、ロング同様に+10万円という利益を出すことができます。
逆に売却時150万円より6.7%以上値上がりしてしまうと、元手以上の価格で買い戻すことが不可能になるため強制終了させられます。
少しややこしいかも知れませんが、FX取引になるとロングもショートも元々なかったBTCを取引所から借りることができ、レバレッジをかけて売買が可能になります。
ロスカットと追証
先ほどから何度か「ロスカット」という言葉が出てきていますが、意味としてはその時持っているポジション(注文)を、強制的に決済するシステムのことを言います。
レバレッジをかけたFX取引によって損失が大きくなり過ぎないよう、自動で決済してくれるユーザーの資産を守るための仕組みです。
ロスカットされるタイミングは各取引所毎に異なり、含み損が保有資金の何割に達した時点で実行されます。
ビットフライヤーの場合は、以下の通りです。
「証拠金維持率が50%を下回った状態」の場合、ロスカットルールが適用されます。
しかし、このルールの適用も100%安全とは言い切れません。
通常の相場でしたら自動的にロスカットが発動してくれるため、そこまで大きな損失を負わずに済みますが、稀に急激な値動きがあるとロスカットが間に合わないことがあります。
証拠金維持率が50%に間に合わなかった場合、赤枠で囲んである「追証ルール(借金)」が適用となり、マイナス分を取引所に支払わなければいけません。
高いレバレッジをかければかけるほど含み損も大きくなるため、数百万~数千万円、中には億超えなんていう莫大な借金を一瞬にして抱えてしまうことも・・・。
「ロスカットがあるから大丈夫っしょ♪」と思っていると、本当に人生を積んでしまうほどの危険性がありますので、必ず支払える範囲の資金で取引されることをおすすめします。
FXのレバレッジを設定する
リスク面を理解したところで、レバレッジの設定方法を見ていきましょう。
FX取引を行う場合は上段メニューバーの「BTC-FX/JPY」を選択します。
クリックするとLightning FXの同意画面が表示されますので、3つの項目にチェックを入れ「同意します」をクリック。
レバレッジの倍率設定をしていきます。
先ほどの入出金画面「「Lightning FX/Futures 証拠金」の欄に、レバレッジの項目があるので「変更」をクリック。
好きな倍率にチェックマークを入れるだけで、レバレッジの変更が完了します。
ビットフライヤーでは最高15倍までのレバレッジが可能ですが、初心者にはリスクが高過ぎますので、相場の値動きやFX取引に慣れるまでは超低倍率(3倍でも耐えられない可能性も)に設定しておくのが良いでしょう。
※3倍を越えるレバレッジ取引をするためには、銀行情報口座確認が必要となりますので予め登録が必要です。
実際に注文してみる
注文はトレード画面の中央付近にある「指値・成行・特殊」のタブが並んだ下記画像の箇所で行います。
「数量」は注文したいビットコインの数、「価格」は注文したいビットコインの価格です。
例えば「数量:1」、「価格:797400」の表示なら日本円で797,400円で1BTC分の注文を出すことになります。
この状態で「売り」もしくは「買い」のボタンを押すと発注となります。
「指値」「成行」「特殊」の3つのタブはそれぞれの注文方法を意味しています。
「指値」とは自分で好きな価格を設定して注文する方法で、指定した価格と相場の値が一致するまで注文が確定しません。
例えばビットコイン(BTC)の売り価格が81万円なのに対して、指値を809,000円に設定し買い注文を入れても、売り側の提示価格が809,001円以下になるまでは売買が成立しないのです。
「成行」は自分で価格を指定せずに、相場の最安値の動きに合わせて自動的に売買が確定します。
買いの場合は、売り板(他のユーザが出している売り注文欄)に出ている最も安い価格と、自動的に取引を確定させます。
反対に売りの場合は、買い板(他のユーザが出している買い注文欄)に出ている最も高い価格と、自動的に取引を確定させます。
指値と異なる点は、ほぼ注文が成立する点です。(※急激な値動き時を除く)但し自分で価格を設定していないため、相場が大きく動くと予想外の価格で注文が確定してしまうこともあるので、注意が必要です。
まとめると「指値注文」は指定した金額で売買したい場合、「成行注文」は即時注文を確定させたい場合に使用します。
「特殊」は新規の注文と同時に決済注文(売りに対して買い、などの反対の注文)を一度に設定できるのですが、やや複雑なため初心者の方は「指値」と「成行」で売買できればOKです!
FX取引の手数料とスプレッド
FX取引の手数料は現在無料となっています。
ビットフライヤーの公式HPによると、もし変更する場合は2週間前から告知してくれるようです。
「これはお得!」と言いたいところですが、実は各取引所とも横並びに近い状態で「手数料無料」を掲げています。
また、手数料という名称ではないですが「スプレッド」もチェックしましょう。
簡単に説明すると、取引所がユーザーに提示した売値と買値の差額のことを指します。
この差が大きいほど買ってすぐに売った場合、相場で値動きがなくても大きな損失を出してしまう仕組みになっているため、始める前に必ず調べておきましょう。
スプレッドは実質的に取引所の利益となります。
このスプレッド、仮想通貨のFX取引に関する限りでは、ザイフやビットバンクトレード等、他の有名取引所とあまり差がない状況です。
ただ、Bit PointやGMOコインは相場の状況次第で数百円~数万円まで広がる仕様になっているので注意が必要です。
取引手数料 | スプレッド | 最大レバレッジ | 追証 | |
ビットフライヤー | 無料 | 数百円程度 | 15倍 | あり |
Zaif | 無料 | 数百円程度 | 7.77倍 | なし |
GMOコイン | 無料 | 変動スプレッド制(数百円~数万円) | 25倍 | あり(公式サイトの表記が紛らわしい) |
Bitbak Trade | 無料 | 数百円程度 | 20倍 | なし |
Bit Point | 無料 | 変動スプレッド制(数百円~数万円) | 25倍 | あり |
当たり前ですが、スプレッドが狭いほど利益が出しやすくなるため、できるだけ安い取引所でトレードを行うのが最も賢い方法です。
まとめ
ビットフライヤーFXの取引画面は、操作性や情報量の多さといった点から見ると、国内取引所の中でも初心者に対して分かりやすく、優しい仕様になっていると思います。
ただ、取引画面や操作性が優しいだけで、仮想通貨のトレード及びFX取引は大きな利益となる一方、当然ながら大きな損失を出す厳しい面も同時に含んでいます。
ロスカットが上手く機能せず、「何百万円も追証・・・」なんてことになったら本当洒落になりませんから、必ず余力の範囲内で売買をするようにしましょう。