
専門用語が多い仮想通貨界。
その中の一つ、「Burn(バーン)」という言葉があります。
よく耳にすることがあるものの、イマイチ意味が分からない方も多いのではないかと思います。
「仮想通貨をBurn(燃やす)・・・」
「デジタル上のものを燃やすとは?」と、さらに意味不明で混乱を招きそうなので、これから分かりやすく解説していきます。
目次
Burnとは何か?
Burnの意味
Burnとは本来単語の持つ「燃やす・燃焼する」といった意味になぞらえています。
仮想通貨の発行枚数は予め上限が決まっており、その時々によって新通貨が発行されることがあります。
もちろん通貨によっても異なるため、全ての仮想通貨でBurnできるとは限りません。
一例として、新しく通貨を発行するためには、元の通貨(ここでは例としてBTCとしましょう)を永久的に使用できなくすることで、新通貨が発行できる仕組みになっています。
正確にはProof of Burn(プルーフオブバーン:PoB)と言い、和訳すると「燃やしたことの証明」になります。
例:10BTCをBurn ⇒ 10,000αBTC発行
BTCの総発行枚数は2100万枚なので、上記の例だと10枚のBTCが市場から消し去られ(誰も取り出すことのできないウォレットに移動)、永久的に使用できなくなったことを意味します。
なのでザックリ言うならば、「旧仮想通貨をBurnすることで新通貨が発行可能になる」という感じです。
これは「トークン」と呼ばれる種類の通貨が発行される場合も、PoBを採用していれば同様の仕組みによって発行されています。
簡単な説明になってしまいましたが、これが仮想通貨のBurnです。
Burnが実施されると価格が高騰?!
Burnされた通貨は発行枚数が一気に減ることで、残った通貨には希少価値が付き、その分価格が高騰しやすくなると考えられています。
分かりやすく説明すると、例えば発行上限枚数が1億枚のネオ(NEO)。
もしも、ネオが総発行枚数の内50%をBurnしたとすると、世の中に流通するのは半分の5千万枚ということになります。
すると、今までよりも市場には供給量が減るわけですから、その分ネオを人々が入手することは難しくなり、1枚当たりの価値が高まる傾向にあります。(需要に対して供給が少ない為)
よって価格が上昇してしまうわけです。
では、過去に実際にBurnを実施した仮想通貨の値動きは、実際どのようになっていたのでのしょうか?
各通貨のBurn発表時から、実施日までの値動きを見ていきましょう。
Burnを行った仮想通貨
トリガー(TRIG)
2017年9月1日Burn発表
2017年9月16日Burn実施
トリガーはBurnが発表されてから実施するまでの期間が、わずか半月ほどと短かったのにも関わらず、発表と同時に急激に価格が4倍近くまで高騰し、実施日の3~4日前では10倍以上まで上昇。
しかし、Burn実施直前で突然急落し、実施後も徐々に下降していきました。
それでもBurn発表前よりは、何とか高い状態を保っていました。
アリス(ALIS)
2017年9月23日Burn発表
2017年11月17日Burn実施
発表から実施されるまでに約2か月もの期間があったアリスは、Burnを行うに当たり発行上限枚数5億枚から、なんと80%以上の7,500万枚まで減らすことにしました。
このことが、アリスという仮想通貨を世の中に広める材料にもなったためか、実施3日前には価格は急騰と下落を繰り返す大荒れ模様に・・・。
ですが、やはり価格のピークは実施直前であり、Burn実施と共にその後は急落。
結果、Burn前の価格と同じくらいまで戻ってしまいました。
アインスタイニウム(EMC2)
2017年9月下旬Burn発表(当初10月6日実施予定)
2017年12月9日Burn実施
アインスタイニウムは発表後、価格が実施予定日に向けて高まっていたのに、直前の10月3日に延期を発表し、世間から大ひんしゅくを買ってしまいました。
すると、徐々に価格が下降していき、12月のBurn実施前でもほとんど上昇しませんでした。
Burnの失敗例と言って良いかもしれません。
ファンフェア(FUN)
2017年9月27日Burn発表
2017年10月18日Burn実施
ファンフェアはイーサリアムを元に開発された、オンラインカジノなどのゲームの報酬を目的として作られた仮想通貨です。
ですが、知名度と人気が及ばず、Burn発表から少しだけ上昇傾向が見られたものの、実施までの3週間を待たずに価格は下落。
実施後もそのまま下降の一途をたどりました。
Burnを実施すると結果どうなるのか?
以上の結果を踏まえて、Burnが起きるとどうなるのかについてまとめてみました。
・Burnを行うと一時的には価格が上昇する。
・最近の傾向ではBurnの前日までに価格が頂点まで達し、当日には既に下落が始まっている。
・burn後は再び元の価格程度まで下落する。
・とてもマイナーな仮想通貨がBurnを行っても、価格の上昇は見込めない。
このことからもBurnを利用して稼ぎたいのであれば、単純にBurnを実施する情報が入ったらすぐにその通貨を購入し、開始される数日前には売却する必要があります。
しかし、公式発表された時には既に価格が高騰し始めている状態なので、できれば前もってTwitterなどから噂や情報を仕入れて、予め購入しておく必要がありますね。
超短期的な情報収集戦略が、最大のカギとなります。
そのため、いつもあらゆる仮想通貨にアンテナを張り巡らせていない人には、Burnの攻略は難しいかもしれませんね。
まとめ
Burnしたからといって、確実に儲けることができるというわけではないため、どちらかと言えば「宝くじ的要素が強め」という風に認識しておくと、下手に情報に踊らされず大きく損をすることもないと思います。
ちなみに2018年、トロン(TRX)がBurnするとの発表が公式からあり、世間から大注目を浴びていましたが、現在公式サイトではその情報は削除されています。
今年に入ってからもバイナンスコイン(BNB)、デジパルス(DGPT)やペクリウム(PCL)など、マイナー通貨・トークンのBurnが実施されています。
Burnは価格が高騰すると思われていますが、知名度やタイミングなどあらゆる要素によって必ずしも上昇するとは限りません。
しかしBurnを実施することで価格はもちろん、世間からの注目や影響にも何かしらの変化は必ず訪れるため、気になる通貨の情報は取りこぼさないように、常に情報チェックを怠らないようにしましょう。