
2017年1月に起きたNEM580億円流出事件を機に、「自分の仮想通貨は大丈夫か?本当に安全に管理できているのだろうか?」と不安になった人も多いかと思います。
どうしても仮想通貨の取引はインターネットを通じて行われるため、常にハッキングの危険にさらされています。
世界中には悪さを企む凄腕のハッカーがゴロゴロ存在していますから、いくらセキュリティの高い取引所に預けていても「100%安全」と言い切ることができません。
現時点で唯一の安全策と言えば、ネット回線と切り離して個人で保管する状態のみですね。
ということで今回は、大切な資産をリスクから守り、安全性において最も期待の高い「コールドウォレット」の仕組みや作り方、使い方についてお伝えします。
コールドウォレットとはどのような仕組み?
仮想通貨は「ウォレット」という専用の口座のようなシステムを利用して保管します。
そのウォレットの中でも、ネット回線を必要とせずオフラインの状態で保管できるシステムが「コールドウォレット」です。
管理には秘密鍵が必要になるのですが、これはオフラインで管理・保管するため、ネット回線を通じて盗まれる心配はありません。
これが安全と言われる理由です。
メリットは上記の通りハッキングのリスクが無いことですが、デメリットもあります。
それは、秘密鍵そのものを紛失してしまうと自らの資産を全て失ってしまうということです。
例え1億、10億円分保管していたとしても、秘密鍵を忘れたり、失くした時点でアクセス不可能となってしまうため、紛失や盗難には相当な注意が必要となります。
そして、このコールドウォレットには大きく分けて2種類あります。
・紙にアドレスと秘密鍵を記入して保管する「ペーパーウォレット」
・専用の機器(ハードウェア)に秘密鍵を保管する「ハードウェアウォレット」
それでは2種それぞれの作り方・使い方について見ていきましょう。
ペーパーウォレットの作り方・使い方
ペーパーウォレットはその名の通り、紙にアドレス・秘密鍵を印刷して保管する方法です。
アドレスが「預金通帳」、秘密鍵が「暗証番号」と例えると、分かりやすいかと思います。
紙に印刷したものを保管するだけですから容易に作成できますし、さらに無料なので初心者の方にもおすすめです。
作成できるサイトは日本語にも対応しており、ほぼ説明がなくても感覚で操作できてしまうので迷うことはないでしょう。
評判の良い「bitaddress.org」というサイトで、以下の流れで作ることができます。
bitaddress.org
①bitaddress.orgにアクセス。
②「いくつかの余分なランダム性を追加するためにマウスを動かす…」と表示されるので、マウスのカーソルを適当に画面上でぐるぐると動かします。緑色の点々がマウスを動かした跡になります。
③数字が100%になったら数秒ほど待ちます。
④アドレスと秘密鍵がQRコードと共に表示されます。
⑤プリンタを用意して印刷。
作成したアドレス宛に仮想通貨を送金することで使用可能になりますが、必ず送金する際は、万が一無くなっても支障のない最少額でテストするようにしましょう。
また、作成したペーパーウォレットは人目につかないところに保管し、火気や水濡れ、紙の劣化には十分注意してください。
他にも、ペーパーウォレットは入出金の際インポートする必要があり、さらに一度使ったものは使用できなくなるため、頻繁な入出金には不向きです。
これらの点に注意すれば、ペーパーウォレットは手元に置ける実物として目に見えた状態で保管できますから、かなり安心感が違います。
ハードウェアウォレットの使い方について
ハードウェアウォレットは専用の機器(ハードウェア)に秘密鍵を保管する方法です。
入出金時にはパソコンと接続し、専用アプリで使用します。
初めにハードウェアを購入しなければならないため、初期費用がかかってしまいますが、安全性も高く入出金もしやすいので、長い目で見るとやはりかなり便利ですね。
以下がおすすめのハードウォレットです。
TREZOR(トレザー) こちらは14種の仮想通貨に対応したハードウェアウォレットです。特殊なチップに秘密鍵を保管します。24の単語で構成されたリカバリーフレーズで復元が可能で、万が一不具合があった場合でも他のウォレットとの同期ができるため安心です。
また、複数のアカウントを管理できる点も大きなメリットです。
<初期設定方法>
①TREZORを付属のUSBケーブルでパソコンに接続する
②myTREZOR.comにアクセス
③TREZOR Bridgeをインストールする
<実際の管理方法>
①「go to TREZOR Wallet」でウェブウォレットに繋ぐ
②プルダウンメニューより、保管したい通貨を選択する
③メニュー内のアカウントを選択する
④Receiveを選択し、新しいアドレスを生成する
⑤保有している通貨をこのアドレスに送金する
以上の手順で通貨を保管することができます。
購入時の注意としては、必ず公式サイトを経由して手に入れるようにしましょう。
公式以外の代理店では機器内部の書き換えなど、不正されたものが販売されている可能性もあるため、安いからといって迂闊に手を出すと、資産を全て盗まれるという最悪な事態に見舞われますので、くれぐれもご注意ください。
まとめ
今回おすすめしたコールドウォレットは、管理がしっかりできるならば安全性はトップクラスです。
取引所でも日々様々な対策・管理がされているとはいえ、ハッキング技術もそれに伴って進化していますから、最終的にはあなたの資産を守れるのはあなたしかいません。
今回の記事を参考に、安全な資産管理方法として、コールドウォレットの導入を是非検討してみてください。