
仮想通貨の取引所を狙うハッカーたちによる事件は後を絶ちません。
一番記憶に新しい大きな事件と言えば、2018年1月に起きた「コインチェックのネム(XEM)流出事件」ではないでしょうか。
あれほど大手の取引所なのに、ネムをオンライン上のホットウォレットで保管していたことによる、セキュリティ力の乏しさが原因でしたね。
また、それからわずか2週間後に、イタリアの取引所ビットグレイルでもナノ(XRB)流出事件が発生し、その後ビットグレイルでは4月に破産宣告がなされています。
世界中の取引所ではハッキング被害を防いでユーザーの資産を守るべく、今まで以上に厳重なセキュリティ対策を練っているところでしょう。
そこで今回は仮想通貨取引所の中で安全性の高い取引所は一体どこなのかや、安全性が高いと言われるその理由についてご紹介します。
また、セキュリティー対策がしっかりしている取引所を、分かりやすいようにランキング形式でお届けします。
目次
安全性の高い取引所とは?
まず、何をもって安全性の高い取引所だと言えるのでしょうか?
私なりの安全性の基準を設けながら解説していきますね。
通貨の管理方法
冒頭でもお伝えしたコインチェックでは、13種類あった取り扱い通貨のうち、ビットコインとイーサリアム以外の通貨を全てホットウォレットで管理していました。
はっきり言って、大量の通貨を保管する取引所にとってホットウォレットで管理するということは、いつハッキング被害に合ってもおかしくない状況であり、むしろハッカーにどうぞ狙ってくださいと言っているようなもの。
そこで、取引所の安全性を確認する際に必ずチェックしたいのが、通貨の管理がコールドウォレットでおこなわれているかどうかです。
オフライン上での管理であるコールドウォレットなら、ハッカーたちが侵入することは実質不可能となります。しかし、取引所にとっては資金運用においての管理コストも大きくかかるので、取り扱い通貨すべてをコールドウォレットで管理するというのは簡単なことではありません。
ですから、なおさらコールドウォレットでの管理を徹底している取引所では、セキュリティに力を注いでいる=安全性の高い取引所だと言えるのです。
マルチシグ対応の有無
通貨管理のセキュリティを任せるのがコールドウォレットなのに対し、マルチシグは取引時のセキュリティを強化する技術です。
マルチシグとはまず通常1つである秘密鍵を複数持ち、それぞれを分割管理します。
すると取引署名の際のアクセス時には、その内のいくつかの鍵を合わせなければならず、そもそもハッキングしづらくなる上、万が一1つの鍵が駄目になっても他の鍵で補うことができます。
このようにコールドウォレットでの管理とマルチシグの対応は、共に取引所の安全を守るには欠かせないので、ぜひ取引所を決める際には、最低でもこの2点に対応しているかを確認する必要があるでしょう。
仮想通貨セキュリティ対策ランキングTOP5
<第1位> ビットフライヤー(bitFlyer)
日本国内取引所で一番安全である取引所に選ばれたのは、ビットフライヤーです。
それもそのはず、ビットフライヤーは今年、世界の仮想通貨取引所の格付けをおこなっている米のSqreen社により、世界No.1のセキュリティを持つと言われるコインベース(coinbase.com)と同じセキュリティスコアに位置づけされました。
つまり、日本1位どころか世界1位のセキュリティを誇っているんです。
ビットフライヤーは、コールドウォレットやマルチシグ対応を始め、あらゆるセキュリティ対策をおこなっています。
そして、ビットフライヤーを信頼できるもう一つの大きな特徴は、万が一日本円での不正出金による盗難が起きた場合、提携している三井住友海上火災保険株式会社より最大5,000万円までの補償が下りることです。
<第2位>ビットバンク(Bitbank.cc)
ビットバンクが2位につけた理由は、何といってもコールドウォレット、マルチシグどちらにもとても高い対応力があることです。
ビットバンクは現在、6種類の通貨に対応していますが、その全てにおいてどこよりも早くコールドウォレット管理に対応しました。
また、マルチシグに関してもイーサリアム(ETH)を除いたその他全てに対応しているので、それがそのままユーザーからの信頼度の高さに繋がっています。
<第3位>コインエクスチェンジ(Quoinex)
コインエクスチェンジは、セキュリティへの意識がとても高い取引所です。
元々コールドウォレットに全通貨対応していましたし、IPアドレスのホワイトリスト化によりアドレス認証を厳しくし不正出金を防ぐなど、セキュリティ対策に力を入れていました。
そしてコインチェックの事件を受けて、さらに危機管理員会を設置したり、第三者機関によるセキュリティチェックをおこなったりと、セキュリティを強化させています。
これだけセキュリティに力を入れているので、ユーザーからの信頼は厚いと言えるでしょう。
<第4位>GMOコイン
GMOコインは、GMOインターネットグループの子会社であるため、サーバーの安定性は抜群です。
しかも同じく子会社のGMOクリック証券は5年連続FX取引高年間第1位になっているので、その信頼性や実績の高さから、当然セキュリティ面の管理体制に関しても安心できます。
会社の経営資金とユーザーの資産を分けて管理をし、万が一の際にも一度に全ての資産を失わない工夫もしています。
もちろん、コールドウォレット、マルチシグ共に対応していますよ。
<第5位>Zaif(ザイフ)
Zaifは過去に何度かサーバーエラーなどのトラブルが発生しており、サーバーの安定性、Webセキュリティ面での不安がないとは、正直言い切れません。
しかし仮想通貨管理においてはコールドウォレット、マルチシグ対応のみならず、従業員の危機管理や運用における不正対策にも力を注いでいます。
そして公式HP上でもユーザーの資産を守るために、最大限の努力をしていると大きくアピールしています。
自らおこなうべきセキュリティ対策
セキュリティ対策ランキングは、以上のような結果になりました。
しかし、いくら安全な取引所だとしても自分では何もせずに取引所に任せっきりにしてはいけません。
何かあっても自己責任。
自分の資産は、もちろん自分で守る必要があります。
例えば、同じパスワードを使い回したり、生年月日など安易に推測できるものにしてはいけません。
そしてパスワードの他にSMS認証や電話認証などの二重で本人認証をおこなう、二段階認証を必ず取り入れ、自分の口座を守りましょう。
もちろん、一番安全なのは自分でもコールドウォレットを取り入れ、普段動かさない資金は自分の手元に管理しておく方法です。
取引する分の資産だけを取引所に預けておけば、万が一の場合も自身の被害を最小限に抑えることができますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
取引所のセキュリティが充実していることは、自らの資産を預ける取引所選びの際に、誰もが望む条件だと思います。
ただし、ハッカーたちは常にそのセキュリティを打ち破ろうと日々画策しているのも事実。
セキュリティに絶対などないのです。
大事なことは、安全な取引所選びと同時に、資産は自分で守る意識をしっかり持つこと。
家の防犯対策と同じで、厳重にしておけばおくほど1つや2つ突破されても、資産までは辿り着けないですからね。